協和木材の特徴や価値観を
9つのキーワードを通じて紹介します
当社は国内の山林で育った原木のみを取り扱う「国産材専門工場」です。各工場から60km圏内となる東北・北関東の山林を原木集材エリアとし、当該地域において特に豊富なスギを住宅用構造材に加工したものが当社の主力製品です。輸入木材の増加により国内林業が衰退し、伐採を含む山林の手入れは進んでおりません。山の大事な機能であるCO2吸収による温暖化防止と土砂災害抑制が十分に果せるよう、そして地方産業の創出と持続可能性に通じるよう、国産材の価値向上に努めております。
日本の木材自給率を高めるには、安定供給体制を整え国産材を信頼していただくことが第一歩との考えから、当社は集材と生産体制の効率化を進めることで量産化を図り、製材量を年々拡大してきました。
110,000㎥(2006年)、210,000㎥(2012年)、330,000㎥(2016年)、450,000㎥(2018年)、580,000㎥(2021年)と拡大し、協和木材の年間製材量は現在、国内第2位です。国内における木材のマーケットにおいて、国産材で賄える分野に関してはしっかりと補填し、日本の山林が適切に更新できるよう努めております。
協和木材は、東北地方に3つの工場とそれぞれ適宜ストックヤードを有しています。敷地の保有面積は合計約360,000㎡(東京ドーム約7.7個分)にも及びます。これは、国産材製材工場としては日本最大級の規模です。敷地は、工場・製品倉庫・ボイラー・乾燥機・原木土場・半製品置場・チップヤードとして使用。製材量に応じた適切な面積を確保することは、製品の安定供給に重要な要素となります。
協和木材は、「森林管理」「林産資源の活用」「環境負荷低減」といった幅広い事業領域を展開。素材生産~原木直送~製材加工~製品販売のすべてのフェーズにおいて直接関わり、山元から製材加工販売まで一貫して行うことで生産効率はもちろんのこと、山林と木製品の関係性における知識と技術を深めてきたと自負しております。
恵み多い山林を次世代へ繋げるためには、育成と収穫を通しての持続可能な森林経営の連鎖が必要です。林業と製材業の両方に携わる協和木材の事業は、環境貢献に直接つながる業務とも言えます。
協和木材の製品の1つである「WOOD.ALC」は、スギの厚板集成パネルです。耐火性能を有し、鉄骨造や鉄筋コンクリート造でもALCと同じように利用可能です。外壁材として開発されましたが、最近では店舗や事務所においての内装材や家具等のポイント使いにも利用いただいております。木材の断熱性能の高さから、熱損失の少ない建物を実現することが可能な新しい建材です。環境負荷低減素材としてのメリットもあり、国や自治体が進めている低層公共建築物の木質化にも貢献しています。
製材用として価値の低い低質材や枝葉等は、林地残材として山林に放置されるケースが多い中、協和木材は伐採後の林地残材を積極的に回収し、バイオマス発電用チップの製造や香料用精油の抽出を行っております。建材製品を製造する際に出る端材やプレナー屑は木材乾燥機用ボイラーの燃料に使用。木材乾燥機で使い切らないボイラーの熱は電気に変換し生産設備の動力に利用します。林産資源は無駄な部分は一つもありません。伐採した原木は責任をもって丸ごと使い切り、山の価値を上げていきます。
社員同士のコミュニケーションや信頼関係の構築、個人のスキルアップは日々の充実感にも通じる大切な要素です。忘年会やバーベキュー、地域ゴルフコンペ等のレクリエーションや資格試験のための勉強会を実施し、業務の枠を超えた繋がりを深められる機会を創出しております。
また、冠婚葬祭時の祝金や香典、見舞金等を会社とは別で積み立て金よりお渡しする互助会制度を設けております。
当社は、2010年に農林水産祭天皇杯(林産部門)を受賞しました。原木流通コストを抑えた地域材安定集材の仕組や、熟練した社員による高度な加工技術と厳格な製品格付等を評価いただきました。更に品質の安定した製品の大量需要に対応した製造ラインの構築と、含水率・強度・製造番号を製品に印字し情報を開示することで工業製品と同等の管理体制を実施していることに対しても高い評価をいただきました。創業以来長い期間をかけて積み上げてきたもの、そしてその時々の経済状況やお客様のニーズに応えるために変化してきたものの両方を評価いただいたことについて、大変ありがたく光栄に感じております。
協和木材が目指す社会貢献の姿。それは木材製品をご使用頂く国内外のお客様だけでなく、森林所有者様、地域社会、その他直接・間接的に関わりのある全ての方々に日本の木材を通して繋がり、貢献することにあります。
森林という「自然」と、人間生活に欠かせない「資源」との間に位置し両者を繋げる役割を担う当社は、木材に価値を付加し、潜在的な価値を見出し、持続可能な取引のサイクルを作ることで、日本の森林を未来へ繋げていかなければならないと考えております。